尾瀬ケ原 至仏山周回
25.7.31(水)~8.3(土) 尾瀬中原山(1,968m) 至仏山(2,228m)周回 3人 33,821歩 約22㎞ ↑1,240m↓1,233m 17h50m
1日目
津山6:00⇒中国道⇒名神⇒中央道⇒長野道⇒上信越道⇒関越道⇒沼田IC⇒R120⇒R401 尾瀬鳩待峠17:15 鳩待山荘泊 770km 11H15m
2日目 大雨 警報発令アリ
鳩待山荘1596ⅿ7:00出発→横田代→中原山1968m→アヤメ平→富士見田代1890m→10:25富士見小屋→長沢新道→竜宮十字路→13:18龍宮小屋14:30→15:15牛首分岐→16:30山ノ鼻至仏山荘泊1400m
高低差↑396m↓583m 14.4㎞ 23,434歩(9:30H)
3日目 曇り時々雨
山ノ鼻至仏山荘7:00 出発→10:21高天原2100m→11:00至仏山2228m→12:20小至仏山2162m→13:33オヤマ沢田代2030m→鳩待峠15:20⇒尾瀬戸倉⇒片品温泉元湯千代田館
高低差↑844m↓650m 7.5㎞ 10,387歩?(8:20H)
4日目
片品8:00⇒高槻経由⇒津山21:30
§1 いんとろだくしょん
昨年予定した尾瀬ケ原は、お母ちゃんの入院で中止になっていた。満中陰も明けたので、I先生と連れと3人で、尾瀬ケ原トレックに出かけた。1昨年富士登山で御殿場までは移動した事はあるが、今回はそれ以上の距離がある。3人で交代して運転することにして7月31日に出発した。
大津SA |
梓川SA |
横川SAから妙義山 |
若いときは夜に出て朝、信州に到着するような強行軍でスキーに出かけていたが、最近は無理をすることが出来なくなった。丸1日かけて、交代しながらの運転。加西SA、大津SA、養老SA、駒ヶ根SA、梓川SA、東部湯の丸SA、横川SAでそれぞれ休憩・交代する。
沼田ICを出ると、地道を40kmくらいで戸倉温泉につき、ここから谷沿いを津奈木沢(交通規制があるので注意してください。)に入り鳩待峠まで3.5km登っていく。駐車場のおじさんが親切に車を誘導してくれて、宿の前で荷物を降ろすことが出来た。
鳩待山荘より小至仏と至仏山 |
鳩待峠 横断幕の下が尾瀬ケ原に下る入り口 奥の看板が至仏山登山道入り口 |
鳩待山荘は尾瀬の入り口、標高1596mにある東電系列の尾瀬林業が運営している山小屋。2日目に泊まる至仏山荘も同じ経営で、一緒に予約できる。尾瀬林業は尾瀬に5軒の山小屋を経営しているようで、自然保護と同時に入山者の世話もしている。
山荘に着いて消灯時間の21時までに、夕食、入浴をすることになる。気温は20度前後で曇り、快適だ。夕食をしっかりとり、少しアルコールも戴き、風呂は貸切だった。天気は下り坂そして、ウイークデイなので、宿泊者が少ない、10畳間に3人とゆったりしている。
窓からは、あさって上る至仏山が望める。夕食時には、明日の降水確率80%になって天気は期待できない。津山を出かけるとき、週末にかけていい天気予報だったのだが、このところ前線が停滞して、梅雨のような天気になり予報も変わった。仕様がない。
夕食中の女子お二人 奥の鏡にカメラマン |
朝は大雨、水が流れて誘導の白線も流失している |
宿の裏をアヤメ平に向けGO |
§2 横田代・アヤメ平
8月1日6:00天気は雨、昨夜は大雨が屋根をたたいていた。6:30から食事を取りながら予定を検討する。大雨なら、峠から山ノ鼻に下って至仏山荘に入ることも考えたが、小降りになっているので、支配人に聴くと、途中の泥濘は覚悟してください、静かなルートです。とのことで、当初の計画通り横田代からアヤメ平、富士見小屋を目指すことにした。
雨支度で車を山荘前から、駐車場へ移動し、昨日の親切なおじさんに駐車料金を2500円支払って出発だ。登山口は、山荘の裏にあり、外の植物などの種子を靴につけて持ち込まないようにマットが設置されている。
木造の階段を上ると登山道が続いている。最初は標高1600mから1960m迄約6kmで高度400mの緩やかな登り。
オトギリソウ |
? |
エンレイソウ 尾瀬では、紫の花を咲かせるようだ |
ハリブキ ウコギ科 (トゲブキ) |
マーカーをつけたブナ |
2.3km地点の指導票 |
ゴゼンタチバナ 花は6枚、花がつかない茎は4枚の葉が特徴 |
ナナカマドやヤマブキショウマ、サンカヨウに似た大きな葉の赤い実をつけた植物などを観察しながらブナ・ダケカンバ杉などの林を上ってゆくと道は木道になり、ゴゼンタチバナがたくさん現れてくる。雨も止んで、写真も撮りやすくなってきた。
目の前が開けてくると横田代に着く、とても大きな葉っぱの植物が迎えてくれ、後でミズバショウだと解ったが、所変わればで、とても大きく成長している。(葉っぱの大きさがバショウという名前の由来だと初めて理解した。)次にこの時期、高層湿原の主役キンコウカが金色の絨緞を敷いて待っていてくれる。周りの林は背が低くなり、ハイ松などに変わっている。
傾斜湿原の木道を上ってゆくと横田代の池塘は、緩やかな傾斜のところどころに形成されていて、水が溜まるためには下側の岸が、周りより高くならないと水溜りは出来ない。この池塘の土手がどうして出来たのか不思議だ。
尾瀬の夏を代表するニッコウキスゲもちらほら見られる。チングルマも沢山きれいな渦を巻いて、地面近くにはモウセンゴケが見られる。知らない花や木々に目を奪われ中々進めないが、3km歩いてきた。まだ9時前だ。
緩い木道を軽快に上ってゆくと、今度は天上の楽園アヤメ平に出る。ここはまさに山頂のお花畑、一面の草原に大きな池塘が沢山見られる。天気がよければ、池塘越しに燧ヶ岳の撮影ポイントらしい。尾瀬の見所になっている。
しかし、昭和30年代の尾瀬ブームにより、また、昭和35年には国の特別天然記念物指定などがあり、湿原の荒廃が進んだ。昭和41年からは群馬県による湿原裸地化回復事業が、続いて昭和44年から尾瀬林業による回復事業も始まって、今のような湿原が回復してきているようだ。
アヤメ平は、アヤメは無くてカキツバタをアヤメと取り違えたようだ。
最後の1kmの指導票は14:57分に通過し、鳩待ち峠へは、15:20に無事到着した。先行した女子組みは、土産をゲットし、撤収する用意万端済ませ待っていてくれた。私も靴とスパッツの泥汚れを流して、帰り支度をするのだが、腰が定まらなくてテキパキ動けない。
湿原回復中 |
裸地化回復事業看板 |
イワショウブ |
アヤメ平を過ぎ、やせ尾根沿いを木道が巻くように進むようになると、竜宮へ下る長沢新道の道標が現れ、富士見田代1,890mに到着する。どしゃ降りになって、雷鳴も聞こえたので、休まず富士見小屋へ下る。
・・・・なんと、富士見小屋は休業で、鍵が掛かっていて中で休めない、どこか雨を避けて、腰を下ろせるところを探すが、便所が開いているだけで、休めそうなところは無い。2人組みの女性パーティーも、便所の入り口で雨宿りされている。
われわれは、竜宮小屋まで頑張って、昼休憩することにし、富士見田代の分岐にひき返す。まだ10時30分だ。ここから4km下ると龍宮小屋だ。木道の下りが雨で難しい。雨が木道に水の層を作って、ちょっとでも踏み込み方を間違うとすべるのだ。垂直に力を伝えないとツルンと行く。
初回は木道の上に尻餅をついてアイタタタ・・・で済んだが、2度目は木道の脇の溝に尻餅をついて、尻から腿の裏側に水が入ってきた。気持ち悪-い。後で聞くと二人も2回ぐらいは滑っていらっしゃる様で、連れは打ち身をしたようだった。
歩幅を小さくして、慎重に足を踏み出し下っていく。初体験なのでこれが結構くたびれる。土場の休憩ベンチが11時12分、長沢の頭が11時35分と2km下るのに1時間掛かっている。
ここからは長沢への下りが急になり急斜面を水の流れと一緒に下るようになる。浮石が隠れていたりするので、ここでも慎重に下らねばならない。しばらく下ると長沢の濁流の音が下のほうに聞こえだす。沢が渡れるか心配したが、水かさが増え少し濁った程度で、木柱の橋をわたれた。長沢へ着いたのは12:36、1kmの下りに1時間掛かった。後1kmで龍宮に着く。
§3 尾瀬ケ原
ここから尾瀬ケ原へのくだりは緩く穏やかなくだりだが、ぬかるみが多くルートを選びながらの歩行を余儀なくされる。龍宮十字路に着いたのは13:10、小屋に入ったのは13:20になっていた。やっと人心地がついた。ここでゆっくり昼食休憩。先行した2女子は1時間くらい待った様だった。
朝、山荘でもらったおにぎり弁当を開く、卵焼きとから揚げが銀紙に包んで添えてある。龍宮小屋のおいしいコーヒーを戴いてゆっくりと休憩する。後は夕方までに山の鼻につけばよい。尾瀬ケ原を堪能すればいい。
14:40に小屋を出て今度は西に至仏山の麓、山ノ鼻を目指す。4.5kmの行程だ。尾瀬ケ原では、ミズギボウシ、ミズギク、ヒツジグサ、サワギキョウ、カラマツソウ、クガイソウ、カキツバタ、ニッコウキスゲ、アオヤギソウ、コオニユリ、ネジバナなど見られ、貴重な植物の宝庫だ。
まずは牛首分岐を目指して、2kmほど進む。木道は2列で、ほぼ一直線に西に伸びている。今日の雨で水位が上がっていて、水没しているカキツバタなども見えた。水垢のようなものが流れているが、ミズバショウが穂先を流して種をばら撒く方法だと理解できる頃には、ほぼ終点に着いていた。
牛首分岐を過ぎ、山の鼻が近づくと振り返って池塘に写る逆さ燧ヶ岳の撮影ポイントだが、雨で山影は見えない。ほぼ1日中雨に打たれた山行になった、カメラも一時濡れて漏電していたようだが、持ち直して最後まで頑張ってくれた。
山の鼻についたのは予定より30分遅れの16時30分。ここは宿泊施設が3軒あり尾瀬ケ原の西の端銀座といったところだ。ビジターセンターとキャンプサイトの設備もある。
今夜はここ、至仏山荘にお世話になる。昨夜より新しく立派な宿だが、男女別で私は8畳に5人の男性用相部屋になった。宿に入るとまた雨が降り出し、明日も降水確率40%と期待できそうに無い。
腰は何とか持ちそうだが、乾燥室に濡れた帽子、手袋、汗取りを干し、食事が済むと風呂に入って翌日の用意だけして早々に横になる。
2日目の朝、朝食を済ませ支配人に話しを聞くと、曇りの予報だそうだが、にわか雨は避けられそうに無い。情報を集めてみると、至仏山登山は中止するパーティー、鳩待ち峠に回って登るパーティー、と色々。我々は、高天ヶ原のお花畑を見てみたいので、がんばって蛇紋岩で滑りやすいといわれる登り専用ルートをチョイスする。
7:00出発、湿原をミズバショウやクガイソウを見ながらしばらく進むと登山道入り口に着く。足元が滑りやすいと注意書きがある。登山道に入ると木の階段で、どんどん高度を稼いで行ける。
約1時間で、森林限界についた。環境省の限界表示が出ている1700m付近だ。蛇紋岩の岩場を鎖に頼りながら登ってゆく。林を抜け潅木の中をさらに1時間1900m付近からは至仏山らしい高山植物が見られだす。
最初に、イワシモッケ、イワオトギリ、ミネウスユキソウ、ホソバコゴメグサ、タカネナデシコ、イブキジャコウソウ、ヨツバシオガマ、タカネトウチソウ、ギボウシ、クルマユリ、ホソバシュロソウ、アオヤギソウ、ホツツジ、などを確認して上ってゆく。10:21標高2100mの高天ヶ原休憩ベンチに到着した。後ろから沢山の登山者が上がって来られる。
ガスに巻かれて、景色は無い。黙々とガスの中を上って、岡山工高の山岳部の生徒さんに続いて山頂に立つ。蛇紋岩に覆われた山頂は、まったく視界は無く、多くの登山者が休憩されている。山頂の岩陰にウメバチソウが咲いている。2等三角点2228mの標柱の脇で休憩し、まだ11時なので小至仏まで行くことにする。
岩の重なる稜線を西から吹き上げるガスと強風に耐えて1時間、12:19分やっと小至仏山に着く。
ここでも数組休憩しておられる我々も風を避けて、岩陰に陣取り昼食にする。今朝山荘で作ってくれたおにぎり弁当だが、おかずの記憶が無い。山行2日目で大分疲れていたのだと思う。10分休憩で下りに掛かる。
登山者が多いのも関係しているのだが、自分の歩きに集中できていない。岩とその間の泥濘そして強風、ガス、雨と追い討ちだ。疲れも出て記録も十分出来ていない。
コバイケイソウの群落が見えてくる頃には、風裏に下っていて、下山路にも木道が現れてくる。しばらく木道を下ってゆくと最初に現れた指導票は、笠ヶ岳への分岐だ。13:17に通過した。
次のオヤマ沢1960mは13:33通過だ。このあたりから再び樹林の中の木道を下って行くようになる。後3kmの下りが残っている。ハクサンシャクナゲの花を1輪見つける。
この後だんだんと足が出なくなってきて、先行する女子チームとの距離が開きだす。前が見えなくなるとマイペースになる。後続のパーティーに何組も道を譲りながら、ョッコラショ、ョッコラショと下ってゆく。
しばらく下って、トカゲ岩といわれる大岩あたりに来ると視界が開けた。尾瀬ケ原から鳩待峠が望める。至仏山は雲の中だ。ここを過ぎると再び樹林の中の道となり、溝状の道や、沢のような道を下ってゆく、後2キロの指導票が現れ、14:11分に通過する。
あと1km |
入山カウンターに着いた |
無事ついた至仏山登山口 |
何とか、今夜の宿の片品温泉に向けて車を出すことが出来た。しばらく戻って戸倉温泉から片品温泉まで下って宿に到着した。今夜は温泉につかりゆっくり出来る。
温泉で汗を流して、腰を養生し、ご馳走を戴きながら、尾瀬の回想に浸った。2日間雨の中を歩いたのだが、2000mの高層湿原花畑、1400mの尾瀬ケ原の花々、そして蛇紋岩の至仏山花畑と3つの花畑を歩けて、本当によかった。
お初の高山植物も沢山出会え、尾瀬ケ原の白樺にも会えた。ミズバショウの大きさに驚き、登山道の整備状況に感動した。尾瀬に乾杯・・・・
自然のすばらしさを体験出来たことに心から感謝です。次の活力も沸いてくるというものです。山好き、自然派の皆さんにぜひお勧めしたいエリアだと思います。そして自然保護の大切さも教えてくれた尾瀬の旅でした。
写真投稿沢山しましたが、最後までお付き合いくださりありがとうさんでした。
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