24.3.10~18(土~日) イタリア コルチナダンペツォ スキーツアー9日間 その1
スキーのメッカの一つ、イタリア・コルチナダンペツォへ出かける。
クラブ会長もご一緒し、1956年オリンピックコルチナダンペツォ大会開催の地、アルペンスキー日本人初銀メダリスト猪谷千春氏(現東京都スキー連盟会長)滑走コース、
トニーザイラー3冠の地、イタリアの英雄トンバ練習コース、女子ワールドカップ滑降コースの滑走等。たくさんのスキーの思い出の中でも、屈指の思い出作り。セラロンダを完走して、スキーツアーの集大成。
ドロミテスーパースキーエリアは、イタリア北東部ドロミテ山群の広大なエリアを1枚のスキーパスでツアー出来る世界最大、最高級のスキーエリア。その規模は、リフト460基、滑走距離1,220キロ、標高差2,000mにも及ぶ。6日間の滑走では、とても滑りきれないけれど、1度は訪ねてみたいと目標にしてきた。
日本からも幾つかのツアーが出ているが、今回は現地ガイドのある、フェロートラベルのツアーに参加した。出発前からガイド氏による現地ライブレポートを見ながら、コルチナスキーの疑似体験をし、とても楽しみに当日を迎えることが出来た。
特に出発前のコルチナ現地スタッフ、清水伸明氏のレポートに動画があり、期待に胸が膨らんだ。
3月10日(土)朝四時発、関空行リムジンバスで旅立つ。関西国際空港8:00時着 ユーロの両替・9:10分フェロー窓口受付・10:40分搭乗手続き・11:10分離陸、ドイツフランクフルト空港(22:55 現地時間14:55着)経由、イタリアベネチア空港に17:50分到着、空の旅約15時間。さらにベネチアから、バスで2時間 コルチナ到着は、現地時間10日21時前になり、25時間の長旅を終えコルチナ到着。
途中9時間がロシア上空の飛行で、箇の國の大きさを実感する。フランクフルトでは搭乗口で、呼び出しを受け、搭乗手続きをあわててしたり、洗面所では、場所を譲って「ダンケシェン」と感謝され、ドイツを実感しながらの旅となった。
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ドロミテ上空 |
3月11日 一夜明け、いよいよスキーツアー1日目。
朝は8時から朝食だが、快晴なので、食事の前に散歩する。目の前は、金色に輝く岩山、その三千メートルの岩肌を、コルチナの谷対岸の岩山の影が夜と朝とに切り分けている。宿の裏手は、少し高い遊歩道が散策にうってつけ。斜面に沿って歩くと、歩道の脇に草地が開け、その上にチロルの家並みが点在している。それらをまだ冬枯れの木々の梢が包み込み、東側の岩峰の下に続いている。まだ顔を見せないお日様が、光のプロローグを用意している。
朝陽のトファーナ |
ポマガノンの岸壁 |
気温はマイナス3度位か、茶褐色の土の上に残り水が凍っている。景色・鳥の囀り・村人が出かける車エンジンの音、そして朝の光、それらすべてが自分の内に心地よい波となって広がっていく。
9時半、6千人のコルチナの町の循環バス8番(8番がスキー客用の循環バスとなっている。)で、我々5人とガイド氏、途中メインストリートで5人デラックスツアーの方たちと11人が合流し10分ほどで、バスターミナル(古くは登山鉄道の駅舎だったらしいプラットホームに沿った細長い建物)手前のファローリアスキー場行 ゴンドラ駅に到着する。
駅からは、コルチナ ファローリアゴンドラ(Length2,519m Difference897m)で標高2,123mまで途中駅で乗り換え一気に登る。
ここから上に、ファローリアスキー場メインゲレンデが広がっている。トップは2,359mボトムが1,689mと650mの高低差のあるスキー場、最初の足慣らしとしては最適なゲレンデが広がっている。ガイドの清水氏曰く、「イタリアーノはスピードが好き、くれぐれも上からのスキーヤーとコース合流地点での衝突・停止場所でのお客様同志の衝突にはご注意を!!」
話を聞きながら自分のもう一つの目的に風防一体型のスキーヘルメットを手に入れることを思い出す。ガイド氏もヘルメットスキーを推奨されていた。
ゴンドラ駅からコルチナの町はほとんど真下の谷あいに広がっている。コルチナ1本目の滑走は、ここから、ジリラダペアリフト(L795m D325m)に100m下る連絡斜面となる。雪は適当にパックされていて、エッジも適当に食い込むが、人口降雪が多く新雪のエッジングとは感じが違う。表層は軟らかく5cm下は固くパックされているような感じだ。
コース整備は徹底して、グルーミングされた斜面は完璧に平坦に、かつ軟らかくピステンの縞模様が続いて滑りやすい。この後毎晩ホテルの窓から前哨灯を点し、ピステンが動いているが観られた。
ファローリアをボトム1,680mまで下り、モンテ(マウンテン)・クリスタッロ3,216mの斜面に広がるクリスタッロスキー場に移動した。ここは、チェアリフト2本を乗り継ぎ2,972mまでのぼり、トンバが練習したというコースに行く。中間駅までしかリフトが回っていないが標高差が800mその上は正に絶壁のようなコースで、平素は危険なためリフトを回さないそうだ。
ファローリアスキー場
左り上がトップ2,359m |
ファローリア2,112mから
コルチナダンペッツォの街を見下ろす。
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クリスタッロ トンバ練習コース |
映画クリフハンガーで、スタローンが活躍したクリスタッロの岩肌 |
この日の昼食は、ソン・フォルカロッジ2,215mのビュッフェ式ランチで、メニューを選んで皿に取り分けてもらってから精算してもらう。野菜のキッシュ、野菜スープ ビールで15ユーロくらいだった。
初日の足慣らしだが、上級コースが多い日で、6日間では一番手強い日であった。参加者の足前を確認するには良いのかもしれない。午後、ファローリアに帰りトップから2本上級コースを滑走し、ファローリアゴンドラで下る。
その後、コルチナの街歩きに出かける。歩行者専用道路に沿って有名ブティックやブランド店、スポーツ店などお店の並ぶメインストリートを案内してもらう。町の中心はローマ広場に建つ教会で、どこから眺めても良くわかる尖塔が建っている。スキー客ばかりでなく、毛皮のコートを羽織るご婦人なども散策していて、高級リゾートを感じさせてくれる。
昼食のキッシュとスープ |
フォンソルカロッジから南西を望む ガイド氏の頭上ポマガノン2,450m 左奥トファーナ |
コルチナの中心教会の鐘楼 |
3月12日 2日目
今日も朝から快晴、昨日と同じ8時にトースト・ハム・チーズ・ヨーグルト・コーヒーの朝食をいただき、気力を充実してスキーに出かける。昨日と同じ公共スキー循環バスでゴンドラ駅に行くのだが、今日はデラックスツアーの方たちが先に乗っておられ、トリエステホテルの我々が後で乗り込む形になる。
乗り込むとすぐにオリンピックセンターに下り、その下を回り込んだところにゴンドラ駅がある。コルチナの街の西にそびえるモンテトファーナ3,243mに広がるトファーナエリアは、1956年コルチナオリンピックアルペン回転コース、現在もワールドカップ女子滑降コースのあるエリアで、三つの滑走エリアから成り、トップ2,828mボトム1215mと、1,600mの標高差がある。
昨日はトンバコースで撃沈したが、今日は猪谷選手が滑ったコースを攻略したい。
朝一番にコルドルシェのゴンドラ駅1,778mから、迂回路の林間コースをくだり、下からコルチナオリンピックコースを見て、再び戻って、いよいよオリンピックスラロームバーンを滑走する。
雪質は比較的細かいザラメ(人口降雪)で、十時過ぎなので、少し雪も緩んだ状態。グルーミングされた縞模様が残る一枚バーンを注意深く滑走する。左側に下った若干の片斜面で、思ったほどの斜度はなく、札幌手稲の回転バーンのようなことはない。
雪が緩んでいるので、スピードコントロールして滑走できるが、斜面変化、斜度変化があり、難しいバーンであることに間違いはない。アイスバーンになればとても難しくなるだろう。コース入り口には、トニーザイラーが金メダルを獲得したことが表示されている。
次に、谷に下って登り返したところが、ポメデス2,305m。ワールドカップ女子滑降コースのスタートで、少し下ったところが有名な岸壁の間を滑降するコースとなっている。
お昼は、コルドルシェに帰ってパスタの前菜、メインはハムの盛り合わせとビールで済ます。昼からはさらに上のラパレスエリアで滑る。
正に垂直の岸壁に向かってロープーウェーが伸びていて、ゲレンデがあることを疑うような岩壁。谷間を越えて2,462mのラパレス駅に我々を運び上げてくれる。このエリアには3本のチェアリフトが架かっていて、トップ2,828mボトムは2,211mと標高の高いスキー場。東斜面でトファーナの陰になるので午後からでも雪質がとても良い。
ガイド氏の適切な案内のおかげである。実はここからさらに上にロープーウェーは伸びていて、夏はトファーナ山頂駅3,243mまで行けるそうである。今回は下からの写真だけで我慢せざるを得ない。
昨日のトンバコース、今日のトファーナ山頂とイタリアーノは高いところと、スピードが大好き民族であるようだ。
最後に健脚の皆さんは、ラパレスエリアから、標高差1,200mを一気に滑って降りられた。
途中ラパレスからの下降コースは上級者の表示もあり、コルチナで最も急なバーンとなっているそうだ。バーンの横には雪崩の跡があり、私はゴンドラで、皆さんのすべりに感心しながら下る。ゴンドラ出発駅でスキー降下組と同じ20分位で合流出来た。
1956コルチナオリンピック回転バーン |
下から |
ワールドカップ女子RSコース左の岩と岩との間 |
ピステ コルドルシェ |
ピステ ラパレス 後方トファーナ山頂駅 |
ラパレスのピステ |
その2へ続く
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