2016年6月5日日曜日

ノビネチドリのブログ考 (絶滅危惧種)

ノビネチドリのブログ考 絶滅危惧種)

先日あるブログで、絶滅危惧種の写真が掲示されて、改めてその美しさに魅了された。その花はノビネチドリ。ラン科の多年草で、私も見たい花の一つになっている。

大山は20回ぐらい訪ねているが、いまだその姿を確認していない。私にとっては憧れの花。その花を探しに今年もお山を訪れたいと思っている。

そんな憧れの花を目の当たりにされた登山者が、嬉しくてブログにアップされたのだと思う。自然の素晴らしさを綴るこれらのブログは、人々に感動や、憧れを感じさせる素晴らしいツールだと思う。

半面、情報の流出という側面も持ち合わせている。自然を訪ねる者として、自然保護という意識を持ち合わせなくてはなるまい。

出来るだけ自然にダメージを与えないよう心掛け、登山靴での踏みつけなど気が付かないところで自然破壊をしている自覚がなければならぬ。

今回の事案は以下のように鳥取県の特定希少野生動植物に指定された、希少種である。

写真の位置情報で公開されれば、盗掘や踏みつけが心配だ。
自然を愛する者同士、少なくとも自然保護のルールを共有し、後世に繋いでいく努力をしたいものだ。

鳥取県ノビネチドリ保護管理事業計画
Ⅰ.事業の目標
ノビネチドリは、ラン科テガタチドリ属に属するブナ帯から亜高山帯域に生
育する多年生ラン科草本である。茎は直立し、やや太く、高さ約30cmであ
る。5~6月に、茎頂に穂状に淡紅色の花を多数つける。葉は長さ5~15c
mで、楕円形から長楕円形をしており、やや肉厚で幅広く、縁辺は波状に縮れ、
5~10個つく。根は肥厚して紡錘形である。全国的には、北海道、本州、四
国、九州に分布し、県内では、東部、西部において確認されている。
生育地が極めて限定されており、種の存続に支障を来す程度に個体数が著し
く少ない種として絶滅が危惧されており、平成14年に「鳥取県希少野生動植
物の保護に関する条例」に基づき、特定希少野生動植物種に指定された。
本事業は、本種の生育状況の適切な把握や保全及び採取防止のための保護管
理対策の整備を図り、適切な保護管理を県民と協働して実施し、本種が自然状
態で安定的に存続していくことを目標とする。
Ⅱ.事業の区域
県内における本種の分布域
Ⅲ.事業の内容
1 個体群及び生育環境の保全・管理
(1)モニタリング
本種の生育地は非常に限られており、現段階では環境の改変が認められて
いないため、生育状況や環境改変状況に係るモニタリングを実施し、生育に
影響を与える可能性のある改変が認められた場合は、必要な対策を講じる。

(2)生育地における採取の防止
本種は、その希少性から、「鳥取県希少野生動植物の保護に関する条例」
により特定希少野生動植物種に指定され、採取が禁止されている。
また、「自然公園法」に基づき、県内の一部の国立・国定公園特別地域内
でも同様に採取が禁止されている。これらの規制について積極的に周知する
こと等により、採取の防止を徹底する。

(3)生育地の管理
モニタリングによって、生育地の管理の必要があると判断された場合には、
計画的な生育地の管理を推進する。

(4)生育地の拡大
本種の増殖は、生育地における野生個体群の維持、拡大によることを基本
とする。
また、生育地の維持が困難となり、緊急避難的措置が不可避であると考え
られる場合は、予め動植物の専門家と協議し、科学的知見を踏まえながら、
遺伝子かく乱による野外個体群の存続を脅かすことのないよう、自生地周辺
の生育適地となる草地などに適切に移植することを検討する。

(5)持続的な保全・管理
現在の生育地を安定的に確保する方策を検討するとともに、種としての特
徴や環境での役割、生育地の役割や価値を周知して、地元住民等との協働に
よる持続的な保全・管理の方策を検討する。

(6)生育地保全策の検討
長期安定的な生育地の確保が極めて重要であるため、「鳥取県希少野生動
植物の保護に関する条例」による自然生態系保全地域の指定等を検討する。

(7)保全管理体制の整備
本種は、その希少性から、これまで生育地の公開は行われていない。今後
は、このような希少種についても、多くの県民への周知により、県民との協
働で保全管理していく体制づくりが必要であり、そのような方向の中で保護
管理体制の整備が図られていくことが望ましい。
しかし、現段階では場所を公開せずに、当面はモニタリング体制の整備を
図ることとする。
また、希少野生動植物種の保護の必要性について、できるだけ多くの県民
との合意形成を目指すこととし、その過程で希少種の保護管理を担う地域住
民、民間団体、地元自治体等の幅広い主体及びその相互間の協力を確保する
よう努める。

2 法的規制・位置付け等
(1)鳥取県希少野生動植物の種の保護に関する条例関係
本種の個体数は著しく少なく、その分布が限られており、生育環境の急激
な変化により、絶滅の危機に瀕していることから、「鳥取県希少野生動植物
の保護に関する条例」により特定希少野生動植物種に指定され、既に採取等
が禁止されている。
また、自然生態系保全地域の指定については、生育地を告示する必要があ
り、その場所が特定されやすくなるため、地域における保護管理体制の状況
等を踏まえて行うこととする。

(2)関係法令等
生育地の一部は、「自然公園法」の特別保護地区や特別地域に指定されて
おり、同法に基づき採取等が禁止されていることから、同法と調整を図りな
がら保全方策を検討する。

3 社会的支援体制の強化及び普及啓発の推進
(1)社会的支援体制の強化
県民と協働して保護を図る必要性等の普及啓発の実施を通して、希少野生
動植物保護に係るネットワークの形成を図り、県民の中から希少野生動植物
の保護管理を担う人材を育成・確保するなど、保護管理基盤の強化を図る。

(2)普及啓発の推進
本種の保護管理に関する施策の推進に際しては、県民の合意形成が必要で
あることから、生物多様性保全の観点から希少動植物種保護の必要性等につ
いて効果的な普及啓発を推進する。
また、将来的には保護活動への地域住民の直接的な参加を求めるなど、参
加・体験学習型の普及啓発を推進する。

4 事業推進への連携体制
本種の保護管理事業の実施に当たっては、当面は有識者、自然保護団体等と連

携し、モニタリング団体の育成を図り、効果的に事業が推進されるよう努める。__

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